「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」を読んだ(SQ3R)
約2年ぶりの更新。
新しめの学習術関連の科学の知見をインプットしたかったので、「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」という比較的新しい学習科学系のビジネス書を読んでみた。そしてその感想(備忘録)を書いた。
- 作者: ブラッド・スタルバーグ,スティーブ・マグネス,福井久美子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どうも最近、読書をしても頭に残らなかったり途中から読むのが苦痛になったり、読書が苦行と化してしまうことが多かった。
そこで「リファクタリング・ウェットウェア」の「5章 意識的な学び」で紹介されていた SQ3R(それぞれ Survey, Question, Read, Recite, Review)という、読書を効果的に行う手法に則って読み進めてみた。
ついでに「リファクタリング・ウェットウェア」も再読し始めた。
リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法
- 作者: Andy Hunt,武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2009/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容としては、成長する人は何を考えどういった行動をしていて、さらにそれを継続させるにはどういう方法が効果的かみたいな話をアスリートや芸術家などを例に出して解説している本。著名な科学者達(ミハイ・チクセントミハイとか)がたくさん登場するので情報の信頼性は高そう。
知りたいこと
- 成長する人ってどんな人?
- 成長を継続、習慣化するにはどうすればいいの?
- 自分の目的を見出すにはどうすればいいの?
知りたいことへの回答
成長する人ってどんな人?
- 適度な負荷と適度な休息を意識的に保っている
- 共通の思考プロセスを持つ
- 没頭 > 熟成 > ひらめき
- 意志力(意思決定)を無駄に消費しない
- マーク・ザッカーバーグがいつも同じ服装なのも重要な意思決定をするためだという
- 無駄な自制をしない
- 限界的練習を行う
- 能力の限定を押し広げる
- コンフォートゾーンを意識的に逸脱する
- 少し背伸びするくらいのタスクに取り組む
- 成長型マインドセットを持つ
- 失敗から得るものがあると信じる
- 能力は可塑性があると信じる
- この反対は固定型マインドセット
- 意識的にシングルタスクに集中するようにする
- システム2 - 意識的、分析的、自覚的である
- 集中を阻害するものを徹底的に避ける
- スマホは視界に入れない
- 「去る者は日々に疎し」
- ストレスに対する考え方が前向き
- チャレンジ反応が起きる
- これはストレスを成長の機会と捉え集中力が上がることを指す
- 睡眠を大切さを知っている
- 睡眠時間は決して削らない
- 睡眠の質を重視する
- マインドフルネスを行う
- 意識的に休憩を取る
- 自然に畏怖の念を抱く > 自我の縮小に効果あり
- 自然からインスピレーションを得る
- 週に一日は仕事のことを一切考えない日を作る
成長を継続、習慣化するにはどうすればいいの?
- 条件付け = 習慣化という捉え方をする
- ゾーンを活用する
- ゾーンに入るための自分に合ったルーティーン(または儀式、ウォーミングアップ)を行うようにする
- このルーティーンは本人にとって瞑想的効果があるもの
- 環境を整える
- われわれが決して環境から独立できないと心得る
- トリガー(特定の道具とかでも良い)と行動を結びつけるようにする
- とことん同じ生活パターンにこだわる
- 同じ場所、同じ時間に行動を始める
- ex. 村上春樹は徹底して毎日を同じリズムで過ごす
- 気分が乗らなくてもとにかく仕事を始めるようにする
- 徹底的に精神論を排除し、独自の方法論を構築する
- 意思決定 = 小さな決断を減らす
- いつやるべきかを理解する(ピークタイムとオフピーク、朝型と夜型の見極め)
- ピークタイムは集中できる仕事をする
- オフピークは創造性が増す
- 誰とやるかに気をつける
- 人は友人の友人からも影響を受ける
自分の目的を見出すにはどうすればいいの?
- 「自分のための行動」をすべてやめる
- 自分の絶対譲れない価値基準を見つける
- 核となる価値基準を5個選ぶ(ex. 創造性, 実用主義, 楽観主義, 楽しむこと, インスピレーション)
- それらに2, 3行の具体的な説明を追加する(自分用にカスタマイズ)
- それらに順位をつける
- 核となる価値を包括し声明文にまとめる
- 自分のやっている仕事がどんな大きな目的に貢献するのか考える
- なにかに貢献する、誰かに教える、誰かをサポートする
- 社会の中から見つかるものと心得る。決して自分の精神の内側からは生まれない
- 自分を忘れれば忘れるほど見つけやすくなる
- 自己中心的な目的は避けるべき
- 目的を発見しても、それは常に変化していくものと心得る(むしろ変わるべき)
- 理性的に内省することで徐々に目的が洗練されていく
- 定期的に確認、更新すること
- 特に最初は積極的に修正する機会を設けること
読書メモ
- 何かに取り組んでいるときに「無理かもしれない・・・」と感じるのは適切に目標設定できている証拠
- 負荷 > 休息 > 負荷 > 休息 > ... これをピリオダイゼーションと呼ぶ
- 50〜90分集中し、7〜20分休憩を取るのがベストらしい
- 瞑想は長くやるより頻繁にやる方が効果的
- 休憩中はボディスキャンしたり、ゆ・っ・く・り・う・ご・い・て・み・るのも良い
- オキシトシンは良いもの
- マルチタスクはやった気になれるだけ、実際は生産性約40%減(色んな本に書いてある)
- カフェインは就寝5〜6時間前から一切摂取しないこと
- うとうとしたら寝るに限る
- 夕食後には精神的、身体的に負荷のかかる思い作業は避けるべき
- 時間は作れない。ただ配分できるだけ
- 気が散るものや重要でないものを排除し、意義あるものに意志力を使えるようにする
- 何をして、何をしないか、何にエネルギーを注ぎ、何に注がないか、慎重に選ぶこと
- 友人の友人からも影響を受けるもの
- 大きな目的を意識したとき自我の縮小が起きる。自我の縮小が起きると、自己を守ろうとする本能から逃れることができる。(自己超越, 脳のリミッタ解除, パラダイムシフト)
- どうにも行き詰まってしまったときは「原点」に立ち戻る
- 目的は目に見えるところに貼るべし
所感
SQ3R は悪くないと思った。初めに質問を決めると、自然とその質問の答えを探すように読み進められる(アクティブリーディングというやつだろうか)。おかげで、体感スピードはいつもの3倍、ストレスは1/3 だった。今までは一字一句逃すまいという強迫観念に支配され気味の読書スタイルだったが、SQ3R をしたら質問に関係の無さそうなところはスルーすることができた(強迫観念から抜け出せた)。今までにない気持ちの良い読書ができたと思う。
今回はノートに手書きでメモを取っていたのですごい時間が短縮できたわけではないが、手書きでメモを取ったからこのような成果があったという可能性も否定できない。手書きの効用はそれくらいは全然あると思っている。
読み始めるとき(SQの段階)にしっかり目次を見て章の冒頭をさらっと読み、「その本を読んで何が知りたいのか?」を決定するのが一番重要なのだなと感じた。また、読書中はその質問を意識すること。紙に書いて常に見えるところに置いておくのが賢い。
実のところ筆者は、最初質問を20個くらい作ってしまい苦行モードまっしぐらになりそうだったので、3個に絞った。3個でちょうど良かったと思う。
続けていってちょっと少ないかなと思ったら適宜調整していこうと思う。
なにか学んだことを実践してみるとき、大事なのはその手法をそのまま適用しても上手くいくことは少ない。取り組む中で自分に合うように適宜調整を加えていこう。
おわり